物語を話そう
1 影の存在
あれは2012年のクリスマング・ソングが街に流れ始めた頃だった。IT系の求人広告をネットで見ていた。世の中はどんなスキルの人を求めているのか。WEB系が多いなと思いながら一つの
書き込みに目が止まった。「個人運営のブラウザゲームサイトのプログラム」を手伝って貰える方を募集しています。とある。さらに、片手間でOKとある。続いて報酬は多くは出せませんと。
個人で出せる金などたかが知れている。無理だろうと思った。
だが、WEB系の技術力がない私にとっては、スキルアップの機会ではないか。無償でも良いじゃないか。早速メールで返信した。依頼主の要望は下記のようなものだった。
ゲームの内容として、仮想的な世界(リアルな世界を反映させたような別世界)という世界観の中で国家運営(シムシティなどの開発ゲーム的な)して国を大きく強くしていって、 他の国(プレイヤー)と交易したり外交したり問題を話し合ったり戦争したり・・・という内容がベースになっていて。それを可能にするのであればシステムやスクリプト面は 極論何でもいいかなと。
つまり、一から自由に開発シミュレーションゲームを作りたい。と言う事であった。私は無償で開発に携わる事にした。
だが、WEB系の技術力がない私にとっては、スキルアップの機会ではないか。無償でも良いじゃないか。早速メールで返信した。依頼主の要望は下記のようなものだった。
ゲームの内容として、仮想的な世界(リアルな世界を反映させたような別世界)という世界観の中で国家運営(シムシティなどの開発ゲーム的な)して国を大きく強くしていって、 他の国(プレイヤー)と交易したり外交したり問題を話し合ったり戦争したり・・・という内容がベースになっていて。それを可能にするのであればシステムやスクリプト面は 極論何でもいいかなと。
つまり、一から自由に開発シミュレーションゲームを作りたい。と言う事であった。私は無償で開発に携わる事にした。
2 銀河のかたすみで
とある銀河系に知的生命体が住む惑星があった。その惑星には海があり大陸があった。そして我々の地球のように豊かな自然で溢れていた。そこでは様々な人種が共存し自給自足の生活を
していた。やがて人々を統治する者たちが現れた。ある者は領主と呼ばれ、ある者は王と呼ばれる。統治者がいる地域では村、町、都市へとゆっくりとした発展があり、文明が成立していく。
ゆっくりとした発展を統治者が望めば、それはおおよそ叶えられた。さもなければ統治者には試練が与えられた。
統治者の中にはゆっくりとした発展を好まぬ者たちもいた。幸いと呼べるか知らぬが生産活動を行わずに資源や富を得る方法があった。領土や領海の境界には魔族が住む地帯があり、そこへ
行けば木材や鉄などの資源や食糧や金を拾い集める事が出来る。しかし拾い集める事が出来ない数種の品があった。それを手に入れるには魔族が召喚した怪物と闘い勝利しなければならない。
欲求に駆られる統治者は、武闘派集団を組織し魔族が召喚した怪物との闘いに赴く。その集団の構成員は従神と呼ばれた。彼らは統治者に忠誠を誓い、特殊な能力や武器を使いこなす者たちで
ある。その闘いは統治者にとって非常に都合が良い。勝てば希少品を入手できるが負けても失うものは無かった。だが勝利の後には更なる試練への選択が待っていた。
怪物に勝利すると領土に怪獣が攻めてくる。その数は一匹とは限らない。そして巨大である。怪物の大きさを地球上の生物で例えるなら羆程度かその数倍となる。しかし怪獣は2階屋から5階屋
並みの大きさである。統治者が怪獣との戦闘を選択すると、怪獣たちは戦闘中の間に統治者から富を奪っていく。統治者が勝利すると、怪獣の討伐数に応じて神から報償金が与えられる。
怪獣に奪われる富と神が授ける報償金が釣り合うかは、わからない。統治者が保有する武力の強弱が判断の基準となりうる。
この惑星の怪獣は実に奇妙な生き物である。統治者が戦闘を行わない判断をすると攻めてこない。有事にするかしないかは統治者の判断で決まる。戦闘途中であっても統治者の軍が撤退すると、
怪獣たちも引き上げるのだ。戦闘が開始されるまでは怪獣が何匹いるかわからない。まるで神が統治者を弄ぶかのごときである。
3 世界観を形に
